川崎病⑦ 9日目後半

川崎病9日目午後

転科になった後、そのまま慌ただしく診察に。

先生たちは小児科の先生のせいかすごく物腰が柔らかくて。

でもすごく焦っているのが伝わってきます。

 

部長先生の隣にいた先生が

「時間がないので小児科の全範囲の専門家が来ているのでここで診察した後、治療方針を決めますね。」

後でわかったことですが、免疫、腎臓、消化器、心臓etc小児科の中の各部門も専門の先生がそれぞれ少なくとも1人は来てくれていたようです。(各部門の責任者クラスの方はほぼ来ていただいていたようです。今考えるとありがたいけれど、どれだけギリギリだったかですよね。怖い)

 

再度、部屋で腹部超音波検査。心臓の超音波検査。

脾臓が腫れている。腸全体も腫れているとか。もし川崎病ならもう治療の猶予がないとか。川崎病じゃなかった場合に疑われる疾患は‥エルシニア‥???。その場合の治療法は‥川崎病でなかった場合にグロブリン投与して問題は‥それはない。エルシニアでもグロブリン投与で治療法は問題ない。川崎病なら今グロブリン投与しないと間に合わない。心臓が‥

わからない言葉もたくさんありましたが、こんな感じだったように思います。

 

診断の結果、下記の川崎病の主要な6症状のうち4.5が該当し5点に満たなかったので不全型川崎病と診断されました

  1. 5日以上の発熱(○+1)
  2. 眼球結膜充血(血管がくっきり見える充血○+1)
  3. いちご舌(赤いがぶつぶつがなく△で+0.5)
  4. 発疹(お腹、足裏、手のひら ○+1)
  5. 首のリンパ節の腫れ(× 痛みも腫れも全くありませんでした。)
  6. 手掌、足底の紅班、回復期の指先の皮膚の膜様落屑(皮膚がめくれる)(○+1)

 

川崎病の治療で免疫グロブリンの投与が必要ですと先生から説明がありました。ただ免疫グロブリン治療に適応するかどうかのスコアでギリギリ不応であること。猶予がないので免疫グロブリンステロイドの併用療法となりました。ここから同意書のサインの嵐です。

たくさんの書類にサインをしたように思います。

 

免疫グロブリンの投与は副反応としてごく稀にですがアナフィラキシー様症状を起こすことがあります。このため心電図や、色々な機械をつけての投与となりました。

幸い何事もなく24時間の投与が終わり、熱も平熱に戻り痛みもなくなり嘘のように元気になりました。

ステロイドの影響でお腹が空いて空いてたまらないとも

先生の説明だと免疫を火事にたとえて消火剤で一気に鎮火(免疫反応を抑える?)するような治療なんだそうです。

 

 

 

冷静に思い返してみると、先生たち切羽詰まっているし状況は怖いことになってますよね。

でもこの時は、やっと病名がわかった。治療ができるしか頭になかったように思います。

 

調べてみると川崎病の治療は「発症7日目までに治療を開始することが望ましく、発症9日目までに血管の炎症を抑えることが望ましい」

のだそうです。10日目~12日目に冠動脈病変が出現するといわれているそうなので本当にギリギリだったんですね。

そしてCRPの値の高さが重症度の指標ともなっているそうで。

ギリギリでも治療が間に合って本当によかったです。